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ウェブアプリケーション脆弱性関連情報の届出をした

概要

あるウェブアプリケーションXSS脆弱性を発見したので,情報セキュリティ早期警戒パートナーシップガイドラインに則りウェブアプリケーション脆弱性関連情報として情報処理推進機構 (IPA) に届け出たところ,届出が受理された.

将来の脆弱性関連情報の届け出に際して本記事が少しでも参考になると期待して,届出の内容と受理までの経過を以下にまとめる.

なお,当該脆弱性の悪用を防ぐため,届出の内容の一部を改変して掲載する.

届出の内容

以下の内容を 2019/03/09 に届け出た.

届出の内容は主に脆弱性の発見の経緯とそれにより想定される被害の2点に要約される.今回発見した脆弱性は典型的なXSS脆弱性であったため,想定される被害としてXSS脆弱性一般に通用する内容を記入して届け出た.

脆弱性を確認したウェブサイトのURL
https://**********/**********
脆弱性の確認日
2019/03/09
脆弱性の種類
クロスサイトスクリプティング
CWEとの関連付け
CWE-79 (クロスサイトスクリプティング)
脆弱性の発見に至った経緯
入力欄Aに誤って<br>タグの含まれた文字列を貼り付けて送信したところ,<br>タグが反映され改行されて表示されたので,古典的なXSS脆弱性の存在を疑った.検証のため,文字列「********************」を入力したところ,アラートメッセージが表示され,実際にXSS脆弱性が存在すると判断した.
脆弱性であると判断した理由
攻撃シナリオの概要
想定される攻撃者の条件
当該ウェブサイトにログイン可能なユーザ
想定される被害者
悪意のあるスクリプトを埋め込まれた当該ページを閲覧したユーザ
想定される攻撃手順
攻撃者が悪意のあるスクリプトを含む文字列を当該入力欄に入力し,送信することで,当該ページを閲覧したユーザのブラウザ上でそのスクリプトが実行され,Cookieなどの情報を窃取される可能性がある.
脆弱性と判断した理由
JavaScriptのコードを含む文字列を入力したところ,入力したコードが実行されたため.
脆弱性により発生しうる脅威
機密性の影響
当該ページを閲覧したユーザのブラウザに保存されているセッションIDなどの情報を窃取される.
完全性の影響
攻撃者の作成したスクリプトにより,ページの表示が改ざんされる.
可用性の影響
なし
ウェブサイトの連絡窓口
https://**********/**********
検証コード
なし
脆弱性が再現した証拠
(XSS脆弱性を用いて出現させたアラートメッセージが表示されている状態のスクリーンショット 1枚)
深刻度と影響範囲
(未記入)
その他
(未記入)

受理までの経過とその後

届出をしてすぐに届いた自動応答メールには,届出が取扱い対象の脆弱性かを検討したのちに受理もしくは不受理の連絡がされる旨が記述されていた.

その後,2019/03/22 付で脆弱性関連情報の届出が受理された旨の連絡を受けた.メールには届出受理証明書が添付されていた.よっしゃ.
脆弱性関連情報 届出受理証明書

2019/03/26 に当該脆弱性の修正完了の連絡が届いた.今回のような初歩的な脆弱性が見逃されることがなくなるよう願ってやまない.