電気通信大学を周回プレイする話 単位認定編
本記事は UEC 2 Advent Calendar 8日目の記事です.
プレイデータの引継ぎ
電気通信大学 (電通大) の3年次編入時の単位認定は出身校のシラバスなど,書類をそろえるとても面倒だとされているが,私は出身校も電通大 (旧情報・通信工学科; I科) である.それでは,この場合はどれくらいの労力でどれくらいの単位認定を認定してもらえるのだろうか.
本記事では筆者が電通大の先端工学基礎課程 (K課程) に編入したときに体験した単位認定手続きとその結果について書く.周回プレイの際の参考になれば幸いである.
包括認定と個別認定
電通大の編入時の単位認定は包括認定分と個別認定分に分かれる.包括認定分は入学手続きを行うと自動的に認定され,個別認定分は既修得単位と認定を希望する科目の内容を照らし合わせて個別に認定が行われる.
個別認定の手続き
個別認定の際にやることを要約すると次の3点である.
- 出身校の該当科目のシラバスと成績証明書を用意する.出身校と編入先が同じ大学でも免除はされない.これらはデータと紙の両方で提出する必要がある.
- 専用のExcelテンプレートに出身校の既修得科目と編入先の認定を希望する科目の対応を入力し,データと紙の両方で提出する.
- 認定が認められなかった科目について,認定委員の教員に対し認定の根拠になる追加の資料を提出したり,面談を行う.
Excelテンプレートがものすごく使いづらいことやデータと紙の両方で資料を提出するのが面倒であることはもはや言うまでもない.周回プレイでも書類の作成にはかなり時間がかかるので手続きは早めに進めよう.
そのほかの注意点は次のとおりである.
- 周回プレイでは,既修得科目と認定を希望する科目の科目名が (概ね) 一致していれば単位認定されることが多い.積極的に認定を求めよう.
- 既修得の単位数よりも多くの単位は認定されない.複数の既修得科目の単位を組み合わせて単位数をそろえよう.
- K課程の学生が昼間コースの科目の単位認定を求める場合
単位認定の結果
筆者の場合,単位認定の結果は以下のようになった.なお,既修得単位と認定希望単位の対応について,一部簡略化して書いている.
出身学科 (旧I科) の科目名 | 既修得単位数 | 編入先 (K課程) の科目名 | 認定希望単位数 | 認定結果 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
(包括認定分) | 人文科目 | 6 | 可 | ||
(包括認定分) | Academic Written English I | 1 | 可 | ||
(包括認定分) | Academic Written English II | 1 | 可 | ||
(包括認定分) | Academic English for the Second Year I | 1 | 可 | ||
Academic Spoken English I Academic Spoken English II 英語演習 |
4 | Academic Spoken English I Academic Spoken English II |
2 | 可 | |
Academic English for the Second Year II Technical English - Intermediate English for Science 輪講 |
4 | Academic English for the Second Year II | 1 | 可 | 認定には原則として学会での発表などが必要らしい.既修得科目として希望科目と同名の科目を書き,輪講にて英語論文を取り扱ったことを書いたところ認定された.輪講を未履修でも認定されるかどうかは不明. |
健康・体力つくり実習 健康論 生涯スポーツ演習A |
3 | 健康実践論 | 2 | 可 | |
材料化学 | 2 | 材料化学 | 2 | 可 | |
微分積分学第一 微分積分学第一 数学演習第一 数学演習第二 解析学 |
8 | アカデミックリテラシー 基礎微分積分学第一 基礎微分積分学第二 基礎解析学 |
8 | 可 | K課程「アカデミックリテラシー」はシラバスを見るにおそらく高校までの数学の内容について復習するリメディアル的な内容. |
基礎科学実験A 基礎電磁気学 |
4 | 基礎物理学実験 電磁気学および演習 |
4 | 可 | 旧I科「基礎電磁気学」は2単位の科目であるのに対し,「電磁気学および演習」は3単位の科目であったためいったんは認定不可とされたが,旧I科「基礎科学実験A」にて電磁気学に関する実験テーマを行っていたことを面談にて伝え,そのうち1単位分を追加で利用することで認定できた. |
基礎科学実験B | 2 | 基礎化学実験 | 1 | 可 | |
コンピュータリテラシー | 2 | コンピュータリテラシー | 2 | 可 | |
基礎プログラミングおよび演習 | 2 | 基礎プログラミングおよび演習 | 2 | 可 | |
化学概論 | 2 | 化学結合と構造 | 2 | 可 | |
線形代数学第一 線形代数学第二 |
4 | ベクトルと行列第一 ベクトルと行列第二 |
4 | 可 | |
物理学概論第一 | 2 | 基礎物理学第一 | 2 | 可 | |
物理学概論第二 | 2 | 基礎物理学第二 | 2 | 可 | |
離散数学 グラフとネットワーク |
2 | 離散数学 | 2 | 可 | 昼間コース「グラフとネットワーク」の認定を求めることも考えたが,昼間コースの専門科目の認定単位数の上限に達したためK課程「離散数学」のみの申請とした. |
応用数学 | 2 | 応用数学第二 | 2 | 可 | |
確率統計 統計数学 |
4 | 確率統計 | 2 | 可 | |
プログラミング演習 情報工学工房 |
3 | プログラミング通論および演習 | 2 | 可 | |
論理設計学 | 2 | 論理回路学 | 2 | 可 | |
基礎電磁気学 情報・通信演習2 |
3 | 電気回路学および演習 | 3 | 可 | |
プログラミング通論 コンピュータサイエンス演習第一 |
6 | アルゴリズム・データ構造および演習 | 2 | 可 | |
計算機通論 | 2 | 計算機工学 | 2 | 可 | |
オペレーションズ・リサーチ基礎 | 2 | オペレーションズ・リサーチ基礎 | 2 | 可 | 旧J科「オペレーションズ・リサーチ基礎」を他学科履修していたのが効いた. |
コンピュータネットワーク | 2 | コンピュータネットワーク | 2 | 可 | |
オートマトン理論 | 2 | 形式言語理論 | 2 | 可 | |
言語処理系論 | 2 | 言語処理系論 | 2 | 可 | |
プログラム言語論 | 2 | プログラム言語論 | 2 | 可 | |
データベース論 | 2 | データベース論 | 2 | 可 | |
ゲーム情報学 | 2 | ゲーム情報学 | 2 | 可 | |
複素関数論 | 2 | 複素関数論 | 2 | 可 | |
数値計算 | 2 | 数値計算 | 2 | 可 | 旧I科「数値計算」の単位を利用してIII類の専門基礎科目「数値計算」を認定.I類の同名の科目は科目区分が異なり専門科目となるので要注意.1 |
情報と職業 | 2 | 情報と職業 | 2 | 不 | 「上級科目の認定は行わない」と配布書類に書かれていたところをダメもとで申請したがやはりダメだった. |
知的財産権 | 2 | 知的財産権 | 2 | 不 | 「技術者教養科目の認定は行わない」と配布書類に書かれていたところをダメもとで申請したがやはりダメだった. |
コンピュータサイエンス実験第一 コンピュータサイエンス実験第二A コンピュータサイエンス実験第二B |
8 | 情報学実験 | 1 | 不 | 履修内容の一致がとれず認定されなかった.ほかの既修得科目で誤差解析の内容を含んでいるものがあれば認定の可能性があると言われた. |
こうして合計78単位が認定された.専門科目は認定されやすかった.卒業研究や実験の単位はいろいろな認定パターンに対応できるとも聞いたが,今回はあまり活用できなかった.10単位も履修した †キャリア教育科目† も全く使えなかった.しかし,面談の場でそれほどごねることもせず,2年間で卒業が十分に可能な単位数を認定してもらうことができた.ほかの編入生の体験を聞くに,周回プレイは他校からの編入に比べてかなり楽であると考える.
おわりに
大学はいつ何度入っても良いものだ.周回プレイたのしいよ!
- K課程の専門基礎科目は選択肢が少ない.専門基礎科目と専門科目のどちらか一方だけ認定できる場合は専門基礎科目を先に認定すると時間割の自由が効きやすい.↩